「自衛隊の闇」大島千佳・NNNドキュメント取材班著

公開日: 更新日:

 04年10月、護衛艦「たちかぜ」に乗務していた21歳の海上自衛官Tさんが自殺。遺書から、原因は先輩隊員Sによる悪質ないじめであることは明らかだった。しかし、Sの暴行・恐喝行為について隊員にアンケートを実施した自衛隊は、Sによるいじめが自殺の原因ではないと結論。本書は、真相を求めてTさんの両親が起こした民事裁判の経緯を追ったドキュメンタリー。

 裁判で自衛隊はアンケートを破棄したと主張。しかし、ないはずのアンケートを目撃したひとりの自衛官が控訴審中に、裁判所に陳述書を提出してアンケートの存在を訴えた。自衛隊の隠蔽体質を告発するとともに正義を貫いた自衛官の闘いを追う。(河出書房新社 1700円+税)



【連載】BOOKレビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動