すべては野村ヤクルトが教えてくれた
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クビ宣告後に「ヤクルトに戻れ」野村監督の言葉で引退決断
2004年のシーズン終盤、ヤクルトの球団事務所に呼ばれました。この年は一軍で3試合にしか出場できず、年齢も36歳。いよいよこの時が来たか……という思いでした。それでも、まだ引退する気はなかった。 …
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1993年「伝説のバックホーム」を後押しした野村監督の言葉
ちまたでは「伝説のバックホーム」と言われているようです。 1993年の西武との日本シリーズ第4戦。八回2死一、二塁で西武の鈴木健がセンター前ヒットを打ち、僕がダイレクト返球で二塁走者の笘篠誠…
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阪神の油断をついた奇策と自分の油断で西武に味わった屈辱
ホームスチールを成功させた選手は何人もいますが、「返球」ではなく「投球」で成功させたのは僕と新庄剛志くらいのものでしょう。 あれは1992年、8月4日の阪神戦。投手は仲田幸司さんでした。 …
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外野手の完全な油断で達成した2本のランニングホームラン
野村克也監督が采配を振る1990年から、僕は一軍の試合に多く出るようになりました。 きっかけは4月21日の広島戦。セカンドの笘篠賢治さんの代打で出場した僕は、この打席でプロ初本塁打を打ちます…
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米国のマイナーリーガーは試合が始まると目の色が変わった
プロ1年目の1987年、僕はユマでの春季キャンプに続き、秋も野球留学でアメリカに行くことになりました。メンバーは僕と土橋勝征、阿井英二郎さん、付き添いの松岡弘コーチです。 場所はアリゾナ。パ…
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高卒で入団 プロ1年目のユマキャンプで実感したプロの凄み
1986年の春と夏に甲子園に出場しました。センバツは2戦目で新湊(富山)に敗れたことは前回書きました。 夏は千葉県中の学校が「打倒・拓大紅陵」に燃える中、順当に勝ち進めたことが自信になりまし…
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大本命の帝京にフラれ…突然の捕手転向で開けたプロの道
現在、僕は母校の拓大紅陵(千葉県)の非常勤コーチを務めています。夏の甲子園が中止になり、コロナ禍で練習すらできない日々が続いたことで心配でしたが、今月1日から練習再開。先日、グラウンドに行くと、思っ…
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中村晃は守備もピカイチ…それゆえに苦労をかけてしまった
ソフトバンクの中村晃(30)は、僕が考える「理想的な打者」のひとりです。タイミングの取り方、球をとらえる技術は群を抜いており、追い込まれてもファウルで粘れるしぶとさもある。何より選球眼が良く、ボール…
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球界一の“強肩”甲斐拓也 ミス悔いる涙を糧に這い上がった
同じ育成出身の周東の武器が「足」ならば、甲斐拓也(27)はその圧倒的な「強肩」です。 もし僕の現役時代、対戦相手の捕手が甲斐だったら? 走りませんね。肩の強さ、捕球してからのスピード、コント…
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育成出身の超俊足 周東佑京に欲しいのは打撃と意識改革
昨季、ソフトバンクで鮮烈なデビューを果たしたのが育成出身の俊足、周東佑京(24)です。 支配下枠に昇格した昨季は25盗塁。失敗は5つしかありませんでした。成功率は8割超。彼がレギュラーに定着…
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バットでの貢献度もさることながら松田宣浩が持つ“声”の力
いま、ソフトバンクは非常に難しい時期にきています。どのチームにも訪れる、ベテランと若手の世代交代。その矢面に立たされているのが、松田宣浩(37)です。 年齢的には控えに回ってもおかしくありま…
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孤高のバットマン 内川聖一には一言のアドバイスすら躊躇
最強の右打者は誰か? 難しい質問ですが、あえて言うなら、僕は三冠王3度の落合博満さん、そして、内川聖一(37)の名前を挙げます。 内川はなにしろ、ミートの幅がとんでもなく広い。普通、どんな打…
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毎年のようにケガ、ケガ…柳田悠岐は「不器用な頑張り屋」
いまやソフトバンクの顔ともいえるのが、柳田悠岐(31)です。 ずばぬけたパワーを持ち、打球の強さ、鋭さは一級品。力強いスイングに魅了されるファンの方も多いでしょう。 凄いなぁと思うの…
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ソフトバンク工藤監督はコーチに求めるレベルも高かった
ソフトバンクの工藤公康監督(57)と僕は、現役時代の接点はほとんどありませんでした。引退後に野球教室などでご一緒させていただいたことはあっても、それほど親しいわけではなかった。それがソフトバンク監督…
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人柄抜群の小川淳司さんが畠山にかけた暗示…選手も一丸に
僕は現役時代から引退後の今まで、小川淳司さん(62)の悪口というものを一度も聞いたことがありません。 人柄は優しく、監督時代も常に選手やコーチに気を使いながら接していました。僕は2010年か…
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プロ初出場がCSの大舞台 山田哲人のスタメン抜擢に驚いた
プロ初出場が高卒1年目のクライマックスシリーズ(CS)……そんな選手は山田哲人(27)を除いていないでしょう。 大阪の履正社高から2010年ドラフト1位で入団。もちろん、球団はじっくり育成す…
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岩村明憲は垢抜けない野球小僧 味方も多いが敵も多かった
岩村明憲(41)はこの連載で話した青木宣親と同様、メジャーに行く前と後で、かなり性格が変わった選手です。 僕が彼に抱いた最初の印象は、「田舎から出てきた都会に憧れる少年」。 派手な服…
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真中満は打撃センスもさることながら要領の良さも天下一品
ベテランが一線を退き、入れ替わりに若手が一軍に定着……プロ野球でよく見る新旧交代劇です。それが僕にも訪れたとき、台頭してきたのが真中満(49)です。 真中は若松さんが監督時代に、本格的にレギ…
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2年連続盗塁王を獲得 コーチ冥利に尽きた福地寿樹への指導
コーチにすれば、自分が指導をした選手が結果を出してくれるとうれしいもの。その意味で、まさにコーチ冥利に尽きると実感したのが、福地寿樹(44=現ヤクルト二軍チーフコーチ)です。 2008年に西…
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60本塁打と打てば打つほど守備が横着になったバレンティン
2013年に60本塁打を放ち、王貞治さん(現ソフトバンク球団会長)などが持つシーズン55本のプロ野球記録を塗り替えたのが、ウラディミール・バレンティン(35=現ソフトバンク)です。 あれほど…