時代劇の中にタイムスリップしよう編
「うずら大名」畠中恵著
豪農の名主、高田吉之助は馬の飼い葉を納めていた大名との新たな契約に行く途中で辻斬りに襲われた。
真っ白い鶉を連れた武家に助けられたのだが、それは若いころ通った道場で一緒だった、有月だった。吉之助は辻斬りのおかげで打ち合わせに遅れてしまい、大名家との契約を他の大百姓に取られてしまった。それを知った有月は、他の大名を紹介するという。多々良木藩の大名から下肥を買っていた老名主が死んだので、その後釜にというのだ。だが、この件の裏には、ある陰謀がひそんでいた。
武士や農民が貨幣経済に巻き込まれていく時代を背景にした時代小説。(集英社 1300円+税)