時代劇の中にタイムスリップしよう編
その少し前に、初代市川団十郎が釜ゆでにされる石川五右衛門を演じていたとき、共演していた半六に観客の目の前で刺し殺されるという事件があった。半六は両国の川開きで隅田川に花火が上がった夜、どざえもんとなって発見される。
さらに、老舗・弁天堂の蔵が破られるという事件が発生。
名人の錠前師が作った錠前を破る手口が、石川五右衛門の亡霊を浮かびあがらせる。このままでは、おさまらぬ――。
英次郎はこれら一連の出来事は、徳川の治世を揺さぶろうとする豊臣家遺臣の陰謀ではないかと考える。なんと、五右衛門は実は生きていると記した古文書があったのだ。秀吉が五右衛門の能力を認めて家来とし、身代わりを処刑したのでは?
さらに、松の廊下の刃傷沙汰で切腹させられた浅野内匠頭のあだ討ちをしたのに、お家取り潰しとなった赤穂藩ゆかりの者、大奥に役者を引き入れて流罪となった絵島生島など、歌舞伎でお馴染みの人物が絡んで思わず、おいおい……と言いたくなるようなオールスターキャストである。