時代劇の中にタイムスリップしよう編

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「鯨分限」伊東潤著

 鯨組棟梁の嫡男、太地覚吾は数えで12歳のとき、初めて鯨船に乗った。三十余の船に乗り込んだ男たちは抹香鯨を追い、網を打つが、気性の激しい鯨は網を振りほどいて逃げる。海中に潜った鯨を一瞬見失ったが、突然周囲の海水が持ち上げられ、船は鯨の背から転がり落ちた。自分に向かって突進してくる鯨がきれいな目をしているのに気づいた覚吾は、この鯨と勝負しようと思ったとたん、気を失う。

 5年後、父の死で覚吾は家督を継ぐが、その頃は未曽有の不漁に襲われ、分限といわれた太地家も傾き始めていた。

 紀州の捕鯨集団を率いて、激動の時代を駆け抜けた男を描く。(光文社 1700円+税)



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