「とんでもなくおもしろい仕事に役立つ数学」西成活裕著
仕事に生かせる数学的思考法を伝授する講義集。
厳密には数学だけでは実社会への応用は難しいが、数学と物理が融合した「数理科学」なら現実社会の問題をいきなり解決することも可能。例えば、タービンのコンプレッサー内で気体が流れるメカニズムを解きたいとか、機械部品に開けるねじ穴の位置を安定性や強度を保ったまま変えるにはどうすればよいか。
日々、現場で持ち上がるこうした問題を数理科学を使って解くときに一番の要になるのが「モデル化」だという。文系にも分かるように、モノづくりの現場で使える幾何の「曲率」や、商品開発が面白いようにできるという解析の「テイラー展開」など、数学の底力を教えてくれる。(KADOKAWA 800円+税)