「系外惑星と太陽系」井田茂氏
夜空の星をぼんやり見上げている場合ではない。今、天文学界が非常に熱いのだ。
発端は1995年に遡る。太陽系外で初めて惑星(ホット・ジュピター)が突如発見された。それまでは、系外惑星は存在しないか、非常にまれで、天文学界では地球と太陽系を中心に議論されていたのだ。
「最初は多くの研究者が発見を疑いました。中心星のすぐそばを回る巨大な惑星なんて、あまりに非常識だったから。太陽系では、中心星から離れた場所に巨大惑星ができるはずという理論でした。ところが誰が観測しても同じものが見える。太陽系の研究が成熟期に入っていたのに、突然足元をひっくり返されたわけです。呆然自失ですよ。でも落胆するのではなく、爽快感と高揚感でした。むしろこれから楽しくなるぞ、と天文学界は熱いんです」
以降、続々と系外惑星が発見された。さらに海を持ち、生命が生息する可能性のある系外惑星(ハビタブル惑星)探しが過熱。今年2月にもNASAが「発見した系外惑星のうち、いくつかに海が存在する可能性がある」と発表した。メディアでは「第2の地球」と表現することも多い。