「絶滅野生動物事典」今泉忠明著

公開日: 更新日:

 自然界で起きる絶滅は次に進化する子孫を残すフィルターの効果があるが、人類が起こす絶滅は、自然が必要としている生き物を一種ずつ根絶やしにしている。本書は、産業革命に端を発する人類による大絶滅以降に地上から消えた主な哺乳類と鳥類を解説する「やるせない」動物図鑑。

 かつてオーストラリアなどで生態系の頂点にいた「フクロオオカミ」。タスマニア以外では既に絶滅していたが、タスマニアでもヒトの移住が始まった18世紀に激減。家畜を襲う「ハイエナ」として虐殺されたのだ。1930年代に保護獣に指定されたが、60年以降の目撃情報はないという。

 他にも日本に分布するものだけが絶滅してしまったカラスバト類など。120余種のデータと絶滅に至る物語を紹介。

(KADOKAWA 1360円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状