「侮るな東京の山」金邦夫著

公開日: 更新日:

「侮るな東京の山」金邦夫著

 青梅警察署の元山岳救助隊員の著者によると、東京の山は手軽なイメージがあるが、山岳事故が毎年100件ほど発生し、死者・行方不明者も10人弱出ているという。本書は自らが携わった救助活動をもとに、奥多摩エリアで発生した遭難事例を紹介するリポート。

 1998年、小中学生の遠足や中高年の登山者に人気の高水三山で起きた遭難死亡事故をはじめ、2000年に川苔山の同じ場所で起きた2件の転落事故、そしてかつて三百名山なども踏破したベテランだが、アルツハイマーが進行して体力や判断力が落ちているのに単独・軽装で天祖山に向かい遺体で見つかった76歳の男性など。

 滑落や道迷いなど、ケース別にさまざまな事例とその救助活動の詳細を紹介しながら登山者に警鐘を鳴らす。 (山と溪谷社 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い