(120)東海道中を戯作にしますわ

蔦重は脚絆の紐をきつく締めると白い歯をみせた。
「では、いってきます」
「重さん、お薬は持った?」
腹掛けは、手拭、懐紙、草鞋は大丈夫? とせが矢継ぎ早に畳みかける。見送る奉公人たちも気遣わしそう。
「忘れ物はないよ」
蔦重は振り分け荷物を肩に…
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