(121)和学の大家は柔和な面持ち
蔦重が鈴屋と呼ばれる邸宅を往訪したのは寛政七年(一七九五)三月二十五日。
「旦はん、ちょっと厠へ」
「またかい」、蔦重は呆れる。だが国学の四大人にあげられる大学者との面会、一九の緊張ぶりもむべなるかな。
「遠路をよく参られた」
本屋主従は二階の書斎へ、…
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