石田ゆり子の“恋敵”役を好演 女優・桜井ユキの矜持とは
マスコミ向けの試写会では「あの子、すごい」といった驚きの声があちこちからこぼれた。あの子とは女優の桜井ユキ(32)。11月1日公開の映画「マチネの終わりに」(東宝)で、主人公(福山雅治)とヒロイン(石田ゆり子)の間を引き裂く“恋敵”の早苗を演じている。
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「私は早苗が大好きなんです」と、ほほ笑みながら力強く話す。平野啓一郎氏の同名人気小説を映像化した作品。スランプに陥る世界的なクラシックギタリスト・蒔野(福山)と、パリの通信社で働きながら婚約者のいるジャーナリスト・洋子(石田)という40代男女の恋愛模様を描いているが、桜井演じる蒔野のマネージャー・早苗は蒔野の才能と人柄に惚れ抜き、ある間違いを起こす。いわば、主人公とヒロインの人生の歯車を狂わせる張本人。観客から敵視される役柄でもあるが、演じた桜井は「好きな人を思うがゆえの行動、純粋さに魅了された」と話す。
「一般常識からすれば、早苗の行動はやってはいけないこと。もっともらしく理由を付けて正当化してはいけないし、不快に思われる方がいても仕方がないと思っています。でも物事の善し悪しは片側から見るだけでは分からないこともある。早苗目線でいえば、蒔野と洋子がお互いをさらけ出していれば、妨害なんてはねのけられたはずでしょ? 早苗もしばらくしたら2人にバレると思いながらも、行動を起こさずにはいられなかった。そういう人間らしさや滑稽な部分も含めて愛すべきキャラクターです」