「にじいろカルテ」で主題歌 藤井風の官能的な歌声の魅力
着実にファンを増やしていき、19年に満を辞してメジャーデビュー。カバー動画の時から、溢れ出ていたそのセンスは、自身の楽曲でさらに爆発。どんな世代が聞いてもずっと聴いていられる心地よさと、適度な抜け感のあるオシャレさが彼の楽曲には常に混在している。
音楽業界内にもファンが多く、先日放送された『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)内の恒例企画「売れっ子プロデューサーが選ぶ2020・年間ベスト10」でも、川谷絵音氏、いしわたり淳治氏、蔦谷好位置氏の音楽プロデューサーがそれぞれ、藤井風の楽曲を選んだ。3人が同じアーティストの楽曲を選曲したことは、同番組においてかつてなかった。そしてそれぞれが、藤井風の非凡で底の見えない音楽センスと才能を絶賛し、川谷氏は彼を「宇多田ヒカル以来の和製R&B」と評した。
繊細さも兼ね備えつつも、どこか気怠げな艶っぽい声。たわいない言葉を並べているだけなはずなのに、なぜか印象に残る歌詞。思いも寄らないコード進行。藤井風というアーティストを通して発せられる「声」「言葉」「音」。そのどこを切り取っても、センスの塊だと思い知らされる。