「ずとまよ」人気ジワリ…“素性が謎系アーティスト”の利点
アーティスト自身がMV(ミュージックビデオ)に登場しないアニメーションMVの楽曲が増えている。これまでは歌っているアーティスト本人がMVに登場し、その世界観やパフォーマンス、ビジュアルを楽しむというのがMVの定石だった。
しかし、アーティスト本人の顔が見えないアニメーションMVは、曲そのものが持つ世界観を純度の高い状態で表現し、視聴者も“楽曲そのもの”に浸り切ることができる利点がある。そんな素性が謎系アーティストの中で、頭角を現してきているのが「ずっと真夜中でいいのに。」(通称:ずとまよ)という音楽ユニットだ。1月30日放送の「SONGS」(NHK総合)に出演し、それがテレビ初出演となったことでも話題となった。
ずとまよは2018年6月4日、YouTubeに「秒針を噛む」のMVを投稿。動画はおよそ1週間で20万回の再生回数を記録し、それが実質的活動開始となった(※21年1月31日現在で8090万回再生を突破している)。
その後、半年も経たないうちにメジャーデビュー。デビュー作となったミニアルバム「正しい偽りからの起床」は、各主要チャートで上位にランクインし、「本屋大賞の音楽版」と評される「CDショップ大賞」の入賞作品に選出されるなど、話題性だけでなく音楽性も評価された。