「統一協会」批判が30年近く途絶えていたワケ 合同結婚式取材をエサにメディアを操作
「母親が統一教会の信者で、多額の寄付をして破産させられ恨みがあった」
安倍晋三元首相を暗殺した山上徹也容疑者は、犯行動機をおおむねこう話しているようだ。
週刊文春(7月21日号)によると、山上の伯父は、母親が寄付した総額は1億円になるのではないかといっている。山上の父親は自殺し、重度の障害のある兄と共に不遇な子ども時代を過ごした。
現在は世界平和統一家庭連合と名前を変えているが、統一教会と聞けば、われわれ古い人間は30年ほど前の大騒動を思い出す。
桜田淳子、山崎浩子、飯干景子と書いても、覚えている人は少ないだろうが、桜田は、山口百恵や森昌子と「花の中三トリオ」といわれた超アイドル歌手だった。山崎は新体操の女王といわれ、飯干はワイドショーの人気キャスター。
この3人娘が、こともあろうに霊感商法で世の批判を受けている統一教会に入信しているとスッパ抜いたのは週刊文春(1992年10月7日号)だった。
統一教会の悪名を広く知らしめたのは、1980年代中ごろから「朝日ジャーナル」(朝日新聞社・休刊)が始めた「霊感商法」批判キャンペーンであった。霊感商法とは、人の不幸につけ込み、それが先祖の因縁に理由があるなどと不安をあおり、壺や多宝塔、高麗人参濃縮液などを原価の数十倍から数百倍で売り付けるものである。朝日新聞が1987年に集計したところによると、1984年以降の被害は全国で1万3000件、180億円にのぼったという。