死刑囚の前でありえない失言も…刑務所慰問でもらった最上の褒め言葉
「4カ月の練習員課程修了後、自衛隊の駐屯地に慰問に行くと、まくらで入隊の体験談をします。隊員は誰も同じ研修を受けてますから、よく笑ってくれるんです」
才賀は刑務所慰問も行っているので、歌武蔵はそれにも付いていった。
「初めて行ったのが、千葉、岐阜、名古屋の順に回る慰問でした。千葉はLAです。Lはロングの頭文字で、Aは初犯で長期刑の受刑者が収監されてるという意味。強盗とか殺人です。岐阜はLB、再犯の長期刑ですね。名古屋はLCで、ここは死刑囚も収監されてる。その名古屋で大しくじりをしました。
才賀師匠と演目の相談したら、『いつもの相撲漫談でいいだろ』って言う。『持ち時間が長いんで、漫談の後に“子ほめ”をやりましょうか』と聞いたら、それでいいと言われた。“子ほめ”に入って、よく受けました。サゲ間際になって、『こういうお子さんにあやかりたい』を間違えるくすぐりが、『こういうお子さんに蚊帳つりたい、首吊りたい』です(笑)。言った後に気が付いて、冷や汗が噴き出しました」
死刑囚の前で「首吊りたい」はまずい。