“大きさと暗さ”を纏う染五郎、圧倒的存在感を放つ白鸚、粗雑さ目立つ團十郎の忠臣蔵

公開日: 更新日:

 歌舞伎座で昼・夜通して最も印象に残るのは、尾上右近だ。『寿曽我対面』では小林朝比奈をユーモアたっぷりに演じ、後半は完全に主役。夜の部は、中村壱太郎との『二人椀久』。自主公演で2人で踊っているだけあって、「息が合う」とはこのことかと思わせる名コンビぶり。2人の美しさと、瞬発力と敏捷な動きの舞が、時間を忘れさせる。

『大富豪同心』での右近は幇間の銀八で、物語の進行役を、舞台と客席の双方を盛り上げる。右近は、この座組ではこういう軽い役になるのは仕方がないのかもしれないが、シリアスな役でこそ本領を発揮できるはず。

 若手に刺激され、その上の世代の松本幸四郎と尾上松緑も負けてはいられないと、全力投球している。

『陰陽師』では幸四郎の安倍晴明と松本白鸚の蘆屋道満との対決が見もの。白鸚はほとんど動かず、セリフだけだが、圧倒的な存在感を放つ。

 新橋演舞場は市川團十郎が「忠臣蔵」の大星由良之助、高師直、早野勘平、斧定九郎の四役を演じる『双仮名手本三升 裏表忠臣蔵』。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 2

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  3. 3

    フジテレビ日枝久相談役に「超老害」批判…局内部の者が見てきた数々のエピソード

  4. 4

    フジテレビが2023年6月に中居正広トラブルを知ったのに隠蔽した「別の理由」…ジャニーズ性加害問題との“時系列”

  5. 5

    フジ女子アナ“上納接待”疑惑「諸悪の根源」は天皇こと日枝久氏か…ホリエモンは「出てこい!」と訴え、OBも「膿を全部出すべき」

  1. 6

    中居正広まるで“とんずら”の引退表明…“ジャニーズ温室”育ちゆえ欠いている当事者意識に批判殺到

  2. 7

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  3. 8

    中居正広「引退」で再注目…フジテレビ発アイドルグループ元メンバーが告発した大物芸能人から《性被害》の投稿の真偽

  4. 9

    NHKは「同様の事案はない」と断言するが…フジテレビ問題で再燃した山口達也氏の“EテレJK献上疑惑”

  5. 10

    GACKTや要潤も物申した! 中居正広の芸能界引退に広がる「陰謀論」のナゼ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松本人志は「女性トラブル」で中居正広の相談に乗るも…電撃引退にショック隠しきれず復帰に悪影響

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    べた褒めしたベッツが知らない、佐々木朗希"裏の顔”…自己中ぶりにロッテの先輩右腕がブチ切れの過去!

  4. 4

    フジテレビ労組80人から500人に爆増で労働環境改善なるか? 井上清華アナは23年10月に体調不良で7日連続欠席の激務

  5. 5

    ついに不動産バブル終焉か…「住宅ローン」金利上昇で中古マンションの価格下落が始まる

  1. 6

    露木茂アナウンス部長は言い放った「ブスは採りません」…美人ばかり集めたフジテレビの盛者必衰

  2. 7

    中居正広「華麗なる女性遍歴」とその裏にあるTV局との蜜月…ネットには「ジャニーさんの亡霊」の声も

  3. 8

    和田アキ子戦々恐々…カンニング竹山が「ご意見番」下剋上

  4. 9

    紀香&愛之助に生島ヒロシが助言 夫婦円満の秘訣は下半身

  5. 10

    フジテレビにジャニーズの呪縛…フジ・メディアHD金光修社長の元妻は旧ジャニーズ取締役というズブズブの関係