上原多香子「母の日」騒動 最後はプロレスができるかどうか
勇ましく大見えを切ったものの、場のコントロールも事態収拾のシナリオを描くこともできない。上原多香子の炎上騒動に割って入った夫のコウカズヤは、感情的になって大暴れし状況を悪化させただけで、炎上を鎮めるどころか、自分が所属する劇団を辞めるハメになる。
上原が起こした炎上に直接関係のない劇団が、コウの「SNSでの発言」について「心よりお詫び申し上げます」と謝罪していることからは、騒動の影響で退団が避けられなかった様子が見て取れる。いくら家族を守るためとはいえ、炎上させているネットユーザーを小バカにし、言いたい放題に罵詈雑言を投稿されては、さすがにとがめ立てするしかない。
劇団そのもののレピュテーションリスクを念頭に、炎上の動向を静観した後にコウを切ったのだとすれば、組織防衛の観点からは、むしろやむを得ないこととして受け入れられる。炎上商法と言うように、炎上させているネットユーザーはうっとうしい敵であっても、傍観しているやじ馬ともども、同時に宣伝の対象となる母集団であり、ネガティブとはいえ興味をもって情報を集めている有望な潜在顧客でもある。徹底的にやり合うよりは、方法はどうあれ、どこかの段階でソフトランディングさせるに越したことはない。