予備軍は要注意「たかが風邪」の油断が糖尿病の引き金に
たかが風邪だと甘く見て症状を長引かせてしまうと、糖尿病につながる危険があるのだ。
風邪の症状を緩和させるために服用される薬にも注意が必要だ。
たとえば、せき止め薬の成分である「メチルエフェドリン」には、血糖値を上昇させる作用があり、糖代謝に異常をもたらす。メチルエフェドリンは、漢方薬でせき止めの成分として使われている「麻黄」という生薬にも含まれている。麻黄は「葛根湯」などの漢方薬に使われている。糖尿病患者はもちろん、糖尿病予備群や高血糖を放置している人は、うかつに飲まないほうがいい。
「アレルギーによる鼻水などの症状を改善させる際に使われるステロイド薬も、血糖を悪化させるケースがあります。ステロイド薬の主成分は『グルココルチコイド』というインスリン拮抗ホルモンで、インスリンの分泌を抑えたり、インスリンに対する感受性を低下させます。つまり、インスリンの働きを阻害して、血糖値を上昇させてしまうのです」(辛院長)
まずは、自分の血糖値をしっかり把握すること。そのうえで血糖が高めの人は、風邪はしっかり対策したい。