著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

痛みが強く再発も多い「帯状疱疹」はワクチンで予防する

公開日: 更新日:

 帯状疱疹は、皮膚に水ぶくれのような赤い湿疹が出来て、痛みを伴うという病気です。

 一度水ぼうそうにかかった後、ウイルスが神経節という部分に潜んでいて、体の抵抗力が弱った時に、再び増殖して起こると考えられています。

 昔は一生に一度しかかからないという説がありましたが、実際には再発も多いことが分かっています。

 帯状疱疹は通常なら自然に治りますが、帯状疱疹後神経痛といって、治った後でも痛みだけが残ることがあります。これは非常に厄介でつらい症状です。それでは、帯状疱疹を予防することは出来るのでしょうか? 

 その決め手と考えられているのがワクチンです。日本で現在、使用されているのは、水ぼうそうのワクチンと同じもので、2016年から50歳以上の年齢で、帯状疱疹予防のための接種が出来るようになりました。

 ただ、その効果は50%くらいですから、それほど高いものではありません。

 海外では50歳以上で90%以上の効果がある、免疫増強剤を添加したサブユニットワクチンという専用のワクチンが開発され、既に接種が開始されています。日本でも製造販売の承認はされていますから、近い将来、接種が可能となりそうです。

 ただ、このワクチンは効果がある半面、副作用(副反応)も強いので、従来のワクチンより慎重に接種する必要があります。

 帯状疱疹はワクチンで予防する時代になりそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  2. 2

    横浜とのFA交渉で引っ掛かった森祇晶監督の冷淡 落合博満さんは非通知着信で「探り」を入れてきた

  3. 3

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  4. 4

    国宝級イケメンの松村北斗は転校した堀越高校から亜細亜大に進学 仕事と学業の両立をしっかり

  5. 5

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  1. 6

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー

  2. 7

    【京都府立鴨沂高校】という沢田研二の出身校の歩き方

  3. 8

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  4. 9

    複雑なコードとリズムを世に広めた編曲 松任谷正隆の偉業

  5. 10

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした