著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

米専門誌で発表 60代で節制しても認知症は予防できない?

公開日: 更新日:

 認知症を予防するにはどうすればいいでしょうか? これまでの研究でほぼ確実といわれているのは、メタボのような生活習慣病を予防することです。

 認知症の代表であるアルツハイマー型認知症は、動脈硬化と直接関係があるわけではないのですが、動脈硬化による病気を予防することにより、どんな薬よりも強く予防出来ることが分かっています。肥満を解消し、血圧やコレステロール、血糖値を正常に保つことが、具体的なその方法です。しかし、どのくらいの年齢から始めれば効果があるのでしょうか? 

 認知症というのは、原因となる物質が脳にたまり始めてから、15年以上経って初めて症状が出る、といわれています。そうなると、高齢になってから生活を改めても、もう手遅れということになってしまいます。最近のアメリカ医師会の精神科領域の専門誌に、フランスで認知症と診断される14年前を調べたデータが発表されています。それによると、発症の14年前には既に、体重の減少や血圧の低下という、発症の兆候と思われる変化は見られていて、その時点で血圧を下げても、ダイエットをしても、あまり効果はなさそうです。

 その一方で血糖値だけは、どの時期においても高いほど認知症になりやすい、という関連を持っていました。

 60代で血圧を下げても、認知症の予防にはもうならないかも知れません。生活改善は一日でも早く始めることが大事なのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース