白血病と闘う池江璃花子はこれからどんな治療を受けるのか
急性リンパ性白血病では急性骨髄性白血病とは違う抗がん剤が使われるが、同じく寛解導入、地固め治療が行われ、白血病細胞の根絶を目指す。
もしも、すべての治療が順調に推移した場合でも、治療期間は4~5カ月かかる。
「とはいえ、治療終了後すぐ競技に復帰というわけにはいかないのではないでしょうか。治療中のトレーニングは難しいですし、特に急性リンパ性白血病の化学療法では、筋肉に影響するステロイドホルモンも使われると思います。筋力と体力を競技ができるレベルまで戻すには少し時間がかかります」
仮に再発リスクが高い急性白血病と診断された場合は、寛解後療法として同種造血幹細胞移植(骨髄移植)が行われる。
「患者さんの白血球の型にマッチした兄弟姉妹、あるいは『骨髄バンク』に登録されているデータからドナーが選択されます。骨髄移植は超大量の抗がん剤と全身の放射線治療を行って白血球を消滅させた上で、提供者の骨髄が定着するまで約1カ月間かかります。投与される提供者の骨髄(移植片)にとっては、移植先である体は異物です。そのため、攻撃してしまう移植片対宿主病の合併症が起こることもあります」
池江選手は高熱が続いたり、血が止まりにくいといった重い症状は現段階では出ていないという。仮に上記のような治療が行われるとすると、まだ体力がある段階で治療開始となるので、完治を期待したい。