コロナ禍で薬の長期処方が増加 高齢者の「ポリファーマシー」には要注意
「服用する薬の種類と数が増えれば増えるほど、管理が難しくなります。たとえば、A薬は朝、昼、晩の食後に1錠ずつ、B薬は朝と晩の食後に1錠ずつ、C薬は朝だけ食前に2錠……といった状態になると、把握するだけでも大変で、飲み忘れや取り違える可能性が高くなる。認知機能が衰えてくる高齢者であればなおさらです。また、いっぺんに10錠近い薬を飲むとなった場合、それだけで服薬に対するモチベーションが低下してしまいます。飲まなきゃいけないとは分かっていても、どうしても飲む気になれない。そのうち、服薬を中断してしまう人もいるのです」
ポリファーマシーを回避するためには、漫然と薬を使用するのは避け、自分にとって本当に必要な薬なのかどうかを定期的に見直すことが大切になる。
「まずは担当医に相談して、自分の今の状態でどうしても飲まなければならない薬はどれなのかを把握することです。複数の医療機関で処方してもらっている場合は、お薬手帳を持参してチェックしてもらってください。近年は何種類かの薬の成分をひとつの薬に配合した合剤(配合剤)も出ているので、薬の種類を減らせる場合もあります」
コロナ禍で自宅で過ごす時間が増えているからこそ、セルフメディケーションは重要だ。