コロナ禍で薬の長期処方が増加 高齢者の「ポリファーマシー」には要注意
通常であれば、担当医が定期的な診察で患者が抱えている疾患の状態を確認したうえで、適切な薬が処方される。
検査の結果や病状の変化によっては、薬を変更したり、種類や数を減らすなどの調整も行われる。
「しかし、長期処方が増えると、担当医が患者さんを直接診る機会が減ってしまいます。そのため、いまの状態であれば必要のない薬をそのままずっと飲み続け、健康を損なうリスクがあるのです。また、複数の医療機関を受診されている患者さんの場合、同じ作用の薬が重複して処方され、過剰摂取になって健康被害につながってしまう可能性もあります。飲み合わせが不適切な複数の薬を服用して効きすぎたり、逆に効果が薄れて基礎疾患を悪化させてしまうケースも考えられます。高齢になると、薬を代謝して体外に排出する肝臓の機能が衰えるため、体内に薬が長時間とどまって副作用が表れるリスクも高くなるので、より注意が必要です」
■薬の管理ができなくなって…
対面診療では、医師が適切な薬を正しくきちんと飲んでいるかをチェックして、服薬指導も実施する。しかし、そうした機会が少なくなると、薬の管理を患者自身に任せることになる。