甲状腺がんは「早期発見・早期治療」が死亡率減少につながらない

公開日: 更新日:

 誤解がないように強調すると、甲状腺がんは放置しても問題ないのではなく、「手術せずに経過観察」。それも、超低リスクと診断された場合において、だ。

■重要なのは「種類」で説明がなければセカンドオピニオンを

 ここで私たちが知っておきたいのは、甲状腺がんには乳頭がん、濾胞がん、低分化がん、未分化がん、髄様がん、リンパ腫、その他と複数の種類があるということ。

「全体の90%が乳頭がんで、超低リスクがんを含むのは乳頭がんです。一方、たとえば1~2%の頻度の未分化がんは予後が悪い。1~2%の頻度の髄様がんは30%が遺伝性で、甲状腺内に多発するため甲状腺の全摘が必須です。どの種類かで治療法が異なります」

 甲状腺がんは、首のしこりや声のかすれなどで見つかることもあるが、最近では無症状で、健康診断や人間ドックなど何らかの検査の際に偶然見つかるケースが一般的。がんと突然告知されれば動揺するが、その時、取るべき行動は次の通りだ。

「医師から甲状腺がんの種類の説明がなければ、セカンドオピニオンなどで種類を確認してください。乳頭がんで超低リスク群なら経過観察でいけるかもしれない。しかし、その考えは甲状腺がんの専門医の間でようやく広まってきた段階で、一般の医師には十分に浸透していないかもしれません。種類やリスクの分類も、専門医がいる施設でなければ、行われていないことがあるのです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」