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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

山川豊さんが告白…肺がんの脳転移は長期延命どころか治る可能性も

公開日: 更新日:

 今年1月にがんであることを発表した歌手の山川豊さん(65)が、ステージ4の肺がんだそうです。

「日刊ゲンダイ」にそのことを語ったインタビュー記事が話題になっています。診断を受けたとき、頭に2カ所の転移があったそうです。

 今年発表された最新の「人口動態統計2023年版確定数」によると、肺がんの死亡数は7万5762人。2位のすい臓がんより3万5000人以上多くなっています。そこで今回は、日本人にとても多い肺がんと脳転移について紹介しましょう。

 肺がんは組織型で4つに分けられ、山川さんが発症した非小細胞肺がんの腺がんは全体の5~6割と最も多いタイプ。喫煙と関係がありません。実は、がん患者のうち10人に1人が脳転移を起こす中、その原因は肺がんが最多の50%。しかもその6割は肺腺がんですから、山川さんのケースは典型的なのです。

 山川さんは診断時に脳転移が認められていたようですが、早期に肺がんを治療した場合は脳転移に注意しながら経過を観察。見つかったらすぐに治療することが大切になります。

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