姿勢が“くの字”の「腰曲がり」は治せる、予防できる 年をとっても遅くはない
姿勢が“くの字”に折れ曲がった「腰曲がり」の高齢者を誰もが目にしたことがあるのではないか。腰が曲がっていると重心が前方に寄ってしまうため歩行困難になり転びやすくなったり、内臓の病気を招くリスクもアップする。家族や自分が苦しまないように治療と予防について知っておきたい。九段坂病院診療部長(整形外科)の大谷和之氏に詳しく聞いた。
高齢者の腰曲がりは医学的には「脊柱後弯症」と呼ばれ、お辞儀をしたように背中が前に折れた状態が該当する。背骨は頚椎の他に、軽く後ろに曲がっている胸椎と、前に曲がっている腰椎からなるが、胸椎がさらに後弯したり、腰椎が後弯すると腰曲がりが起こる。
後弯する原因として、姿勢を維持する役割を担う背筋の衰えや猫背姿勢、加齢によって体内の水分量が減り椎間板が潰れることなどが挙げられる。骨粗しょう症による圧迫骨折も大きな原因のひとつだ。
「当院では大勢の後弯症患者さんが受診されていて、男女比は9:1で女性に多い。閉経後に女性ホルモンが減少し、骨粗しょう症を発症させるためだと考えられます」