急増する1型糖尿病…なぜ、子供や若者に増えているのか?
同様の話は新型コロナにもある。
英国のキングス・カレッジ・ロンドンの研究によると、新型コロナ患者は感染直後、とくに感染後3カ月で糖尿病を発症するリスクが高くなり、23週後には元に戻るという。
新型コロナ患者42万人余りの20~21年の医療記録データを分析した結果だ。
一方、米ペンシルベニア州立大学医学部の研究グループが、400万人超の新型コロナ患者と新型コロナと診断されたことのない4300万人超の対象群のデータを分析した研究では、新型コロナ経験者は糖尿病の発症リスクが1.66倍に上昇することを明らかにしている。
注意したいのは、1型糖尿病が多い欧州ではすでに新型コロナ以前から1型糖尿病の増加が問題になっていた点だ。
「1型糖尿病患者を対象とした欧州の大規模疫学研究『EURODIAB』の一環で、13年までの25年間を追跡した調査があります。これを分析したところ、14歳以下の1型糖尿病発症数は年間平均3.4%増加しており、この傾向が続くと今後20年で2倍に増えるとしています。この結果は18年の欧州糖尿病学会の機関誌に発表されています。また、米国で実施された別の調査では1型糖尿病と診断された20歳未満の患者数は02~12年に1.8%増えたことが報告されています」