部屋の夏支度…涼しさを五感で感じ取るためにも、風の通り道の点検を
日本の夏は高温多湿です。6月に衣替えをするように、伝統的な日本家屋では、屋内を夏仕様へ替える夏支度をしていました。紙の障子やふすまの建具を取り外し、すだれや夏障子(すだれをはめ込んだ戸)に替え、畳の上にゴザや網代などの敷物を敷き夏座敷へと替えます。
これらは費用も手間もかかりますし、今は建具を替えなくてもエアコンのスイッチを入れれば簡単に涼しくなります。けれど、少しでもエアコンの消費を減らし、五感で涼しさを体感することは、心身の健康に良好に働きます。昔の人の知恵にならって、できることから始めてみてはいかがでしょうか。
最も重要なのは部屋の「風通し」をよくすることです。昔の日本の家屋では部屋には家具は置かず、必要な道具を出して使って終わったらしまい、屋内は常に風が通るように基本的に空っぽの空間にしていました。そこで現代の家の中でも、風の通り道を点検し、風の流れを遮るものを取り除くことをお勧めします。
風の通り道に背の高い家具や、無駄なモノを置かないように見直してみてください。本格的な夏が来る前に、こうした家具の配置点検や断捨離をしてモノを減らすのはよい習慣かもしれません。玄関ドアを少し開けたり、換気扇を回したりして、家の中の空気を循環させるようにしましょう。