雷ゴロゴロ「昭和の常識」実は間違っていた 金属製品を身に着けていると落ちやすいは本当?
「避雷針がある建物の中は安全だ」とは言い切れない
こちらの回答は、「落雷抑制システムズ」の担当者から聞いてみた。
「避雷針とは、1750年ごろにアメリカのベンジャミン・フランクリンが発明したもので、その仕組みは現在も引き継がれています。簡単にいうと、避雷針から『お迎え放電』を出して落雷を呼び込むという技術です。しかし、必ず避雷針に雷が落ちるとは限りませんし、落雷のある状況は大雨であるケースが多いため、その水を這って電流が流れてきて被害を出すこともあります。『雷サージ』といって、落ちた雷が通信ケーブルなどを伝わって、家電やパソコンが故障することもあるのです」
270年前の技術は「わざと落雷させる」ものだが、そもそも落雷させなければ建物内部への被害が起こることもない。
「マイナス電荷はマイナス電荷に寄り付かないという性質を生かし、『PDCE避雷針』というものが開発されています。すでに各地の気象観測所や大手私鉄、横浜総合国際競技場などで採用されています」
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先日も都内や神奈川県を激しい稲光が襲ったばかり。この頃は当たり前になったゲリラ豪雨は、ゲリラ雷雨と共通する部分が多い。気象庁では「雷注意報・警報」を出して警戒を呼びかけており、より詳しく知りたければ「雷ナウキャスト」もある。雷の激しさや発生の可能性を1キロ格子単位で解析し、1時間後(10~60分先)までの予測を行うものだ。
アメリカ海洋大気庁によれば、人が雷に打たれて死ぬ確率は1年で77万分の1から100万分の1とされる。日本で多い年には100万回の落雷があるが、それでも1人が被害に遭う程度。それぐらい確率的には低いのだが、それでもあの「ピカ、ゴロゴロゴロ」を体験するだけで怖くなってくる。