ネコちゃんワンちゃンの採血部位はどこが適切? 動物にストレスを与えないことが最優先
昨年4月から国家資格になった「愛玩動物看護師」の仕事のひとつに「保定」があります。保定とは、動物を動かないようにして獣医師が速やかに治療できるようにするための押さえ方のこと。大学や専門学校などでは、「保定学」がカリキュラムに組み込まれていて、試験もあります。
押さえる腕の位置や手の持ち方を画像や動画で示しながら学生に指導する学校もあるようです。その場所や持ち方によって、正解と不正解を線引きするのは、正直、解せません。現場で治療する獣医師としては、無理に押さえ込まなくても処置さえできれば問題ないのです。
そもそもネコちゃんもワンちゃんも、性格がそれぞれ異なります。しっかりと押さえ込まないと治療できないことはもちろんありますが、そのときの状況や症状によっては必ずしも不動化させることが適切でないことはしばしばあります。
そんな現場ですべての状況に共通するのはただひとつ。動物にストレスを与えないこと。その役割をはたしているのが、看護師や補助スタッフなのです。
保定が必要な場面としてよくあるのは採血でしょう。当院では、看護師や補助スタッフが背中側から優しく押さえながら頚静脈から採血します。研修に来られる学生さんにその理由を質問すると、ほとんど答えられません。