トランプ関税交渉破綻!参院選前に「国難解決」のアテが外れ…与党の過半数割れにトドメ

公開日: 更新日:

 淡い期待は見事に外れた。参院選まっただ中の日本政府に対し、トランプ米大統領が新たに税率25%の「相互関税」を課すと通告する書簡を突きつけた。石破首相は8日、「8月1日の新たな期限に向け国益を守りつつ、日米双方の利益となる合意を目指す」と強調したが、もはや打つ手なし。参院選への打撃は避けられない。

  ◇  ◇  ◇

 参院選前に関税交渉を決着させ、外交実績をアピールする──。もともと石破首相はそんな青写真を描いていた。トランプ関税を「国難」と位置づけたのもそのため。国難回避を実現すれば選挙に勝てると踏んだのである。

 トランプも最初の交渉相手に日本を選び、4月の第1回協議には自ら出席。政権には楽観ムードが漂い、一時は「GW後半に総理が電撃訪米し、関税交渉は決着」(官邸事情通)との情報も流れたほどだ。

 参院自民の改選組も浮足立ったが、その後の協議は難航。待てど暮らせど「朗報」は届かず、ジリジリと選挙本番のリミットに近づいていった。とうとう石破首相は先月のG7サミットでトランプに直談判。結果は何の成果も出せず、不発に終わった。それでも石破首相は「選挙期間中でも必要があれば訪米する」と意欲を示し、党内も期待を寄せた。しかし希望を打ち砕くように、先月下旬になってトランプの「ジャパン・バッシング」はエスカレート。視界不良のまま参院選に突入し、ついには有無を言わさぬ一方的な書簡公表に至ったのだ。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  3. 3

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 4

    阪神・大山を“逆シリーズ男”にしたソフトバンクの秘策…開幕前から丸裸、ようやく初安打・初打点

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    創価学会OB長井秀和氏が明かす芸能人チーム「芸術部」の正体…政界、芸能界で蠢く売れっ子たち

  2. 7

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  3. 8

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  4. 9

    大死闘のワールドシリーズにかすむ日本シリーズ「見る気しない」の声続出…日米頂上決戦めぐる彼我の差

  5. 10

    ソフトB柳田悠岐が明かす阪神・佐藤輝明の“最大の武器”…「自分より全然上ですよ」