「高額療養費制度」見直しに新たな火種…“がん・難病増税”に等しいのに、国家公務員は「負担上限」据え置きの可能性
今国会の焦点のひとつ、「高額療養費制度」の見直しに、新たな火種だ。政府は「制度の持続性」を御旗に、がん・難病患者などのセーフティーネットとして機能している療養費制度の改悪に邁進。「がん・難病増税」に等しい自己負担の上限引き上げを画策しているが、官僚厚遇の格差は放置したままだ。
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高額療養費制度は、医療機関や薬局での窓口負担が一定額を超えると払い戻される仕組み。長期治療中の患者は、「多数回該当」という負担軽減策の対象となる。過去12カ月以内に3回以上、月の医療費が負担上限額に達した場合、4回目から多数回該当が適用され、上限額は引き下がる。
厚労省は10日、制度見直しへの反発を受け、全国がん患者団体連合会(全がん連)に多数回該当の一部修正を提案。上限額の超過が6回以上の場合、7回目以降をさらに引き下げるという。
しかし、患者団体が求めているのは、制度見直しそのものの凍結。多数回該当に少し手を加えて落としどころを探ろうという、政府の魂胆はミエミエだ。