「社会の分断」から「内戦」の時代へ トランプと斎藤元彦知事の支持者はエリート層が大っ嫌い
アメリカ大統領選で、有権者が最も重視したのは「経済」ではなく「民主主義」だった。
「リベラル勢力には、司法への圧力や議会への暴力で選挙の結果を覆そうと試み、ヘイトを扇動するトランプ氏の言動こそが民主主義への脅威と映る。一方で、トランプ氏支持者は、政治・金融のエリート層が利権をむさぼり、市民をないがしろにして、米国の民主主義を蝕んできたと信じている」(朝日新聞11月10日付「日曜に想う」から)
民主主義が股裂き状態になり、トランプが圧勝したため、アメリカ国内は「内戦状態にある」(アメリカの国際政治学者イアン・ブレマー)。映画「シビル・ウォー」で描かれた世界が現出し、横暴を極める大統領を武装した市民たちが追い詰め、殺すという“悪夢”が起きるかもしれない。
翻って、この国はどうか。派閥の裏金問題だけではなく、自民党の民主主義をないがしろにする利権・強欲政治に対する有権者たちの怒りが沸点に達し、衆院選で自民党は過半数を大きく割り込んだ。
しかも、その怒りはまだ収まらず、その余波が、兵庫県知事選で斎藤元彦を再選させたのではないか。私はそう見ている。