初戦会場レシフェの“蒸し風呂”対策 スポーツ医学専門家の提言
「私は運動の指導経験はありませんが、試合まで1週間もない今、選手たちには強度の低い運動を長時間やらせるのではなく、高い強度の運動を短時間で切り上げ、練習後に炭水化物やアミノ酸、乳タンパク質などを摂取させ、体内のグリコーゲンと水分量を増やしたい。高温多湿地域で長時間の運動を行うと脱水状態になり、そうなると短時間での回復が難しい。たとえば3リットルの汗をかけば体重は3キロ減る。この水分量を完全に回復させるには2~3日はかかる。脱水状態で試合に臨むことだけは、絶対に避けなければなりません」(能勢教授)
■選手の汗腺はしっかり開いている
日本代表は、現地9日午後3時半(日本時間10日午前3時半)から練習を行った。現地で取材中のサッカージャーナリスト・六川亨氏が言う。
「サッカー界で暑熱対策は、04年アテネ五輪の予選前後から本格的にスタート。科学的なデータなどを使いながら、かなり先進的なやり方で効果を得ている。フロリダでは練習、試合とも選手はじっとり汗をかき、汗腺がしっかり開いている印象だった。イトゥでは本大会に向けて《最終調整としてコンディションを整えている》ところ。選手はフロリダの時よりもコンディションは良好。暑熱対策は順調に推移していると思われます」
強敵コートジボワール相手に90分間、フルに走り回れるフィジカルが備われば、日本にも勝機が見えてくる――。