初戦会場レシフェの“蒸し風呂”対策 スポーツ医学専門家の提言
ブラジルW杯本大会でグループリーグ(GL)を勝ち上がり、悲願のベスト8以上を狙うには、対戦相手国の分析もさることながら、ブラジル特有の高温多湿の環境をいかに克服するが、勝敗を大きく左右する。
日本代表は5月下旬に鹿児島・指宿で合宿を行い、1日2部練習でフィジカルを徹底的に強化した。ブラジル入りする前には気温が30度超、湿度60%以上の米国フロリダ州クリアウオーターで直前合宿を行い、テストマッチを2試合消化。現地7日に、サンパウロ市から100キロ北西のベースキャンプ地イトゥに入った。
■練習後は牛乳を飲む
キャンプ地は気温25度、湿度50%前後と比較的過ごしやすい。日本代表は、現地14日午後10時(日本時間15日午前10時)キックオフのGL初戦コートジボワール戦に向けて調整しているところだが、GL突破のすべてが懸かるといっても過言ではない初戦の会場レシフェの環境は過酷だ。
「ブラジルのベネチア」と呼ばれるレシフェは、イトゥから2140キロ以上離れたブラジル北東部の海岸沿いに位置する。試合当日の天気予報は小雨。気温は25度以上になり、湿度は80~90%まで上昇する。信州大学大学院医学系研究科・スポーツ医科学分野の能勢博教授は「湿度が80%以上とは恐ろしい環境です」と言ってこう続ける。