2ケタ白星王手の逸ノ城 快進撃も「三賞」を知らなかった
「サンショー? 何ですかそれ?」
きょとんとする逸ノ城(東前頭10=21)に、担当記者たちも思わず言葉を詰まらせた。
前日、横綱鶴竜を破った嘉風(西前頭3=32)を10日目に迎えた“モンゴルの怪物”。ここまで8勝1敗とはいえ、多くが平幕下位。上位への試金石ともなる嘉風戦はしかし、逸ノ城に軍配が上がった。
嘉風の鋭い立ち合いを受け止め、突っ張りをしのぐと、右腕で頭を抱え込んでからのはたき落とし。
これで9勝1敗。快進撃を続ける新入幕力士の周りには、日に日にマスコミの数が増えている。逸ノ城が国技館を出る時など、後をゾロゾロついていく担当記者の一団は大名行列さながらだ。
■相撲記者とのやり取りで「角界用語」知る
もっともそれは注目されている今だけだろう。相撲に限らず、マスコミは話題性があるとすぐにもてはやし、旬が過ぎると手のひら返しは日常茶飯事。それでも、逸ノ城にとってマスコミは良い「先生」になりそうだ。