初日から6連勝 モンゴルの怪物・逸ノ城は初の「遊牧民」出身
遠藤から遅れること1年、角界に再びザンバラ髪力士が現れた。モンゴル出身の逸ノ城(21)だ。192センチ、199キロというモンゴル人にしては珍しい巨漢力士。新入幕の今場所は初日から怒涛の6連勝だ。
モンゴル人力士として初となる、正真正銘の遊牧民。かつて帰国時に狼狩りに興じていた朝青龍も、出身は首都のウランバートルだった。逸ノ城は幼少期からゲル(テント型住居)で暮らし、馬に乗って羊やヤギの世話をしていた。ひとつの地には定住せず、水や牧草を求めて季節ごとに転々とする生活。夜は家畜を狙う狼を追い払っていた。
育ちが育ちだからか、年齢不相応に落ち着いており、めったなことでは動じない性格。幕下付け出しから所要4場所での新入幕は遠藤に次ぐ史上2位のスピード出世ながら、「そう?普通だと思う」とケロリとしていた。
■臨機応変の相撲が取れる
強さといっても、体のデカさにモノをいわせているだけじゃない。角界OBは「稽古場と本場所であれだけ違う力士も珍しい」と言う。