世陸マラソン代表今井正人が語る 「アフリカ勢との戦い方」
ついに2時間2分台に突入した男子マラソン界はアフリカ勢の独壇場。8月の世界陸上マラソン(北京)マラソン日本代表の今井正人に大舞台での勝機などについて聞いた。
――現在のマラソン界はアフリカ勢が席巻。日本記録(2時間6分16秒=02年高岡寿成)も世界記録(2時間2分57秒)に比べ、3分以上の差がある。アフリカ勢には勝てないのでしょうか?
「自分のタイムを1、2分縮めるのは可能でしょうけれど、今すぐ2分台を出せと言われても厳しい。でも、マラソンの戦いはタイムだけではありませんし」
――といいますと?
「基本的に好タイムが出る要因はペースメーカーが付くからです。世界記録が出る大会というのは、ペースメーカーがあらかじめ2時間2、3分を目標にするレースをつくる傾向がある。そんなレースで自分のような持ちタイムが7分台の選手が20キロぐらいまで行けば、後半に失速するだけです。世界陸上や五輪はペースメーカーがいません。夏の暑さ、駆け引きの勝負もある。そういう中でなら、タイム差以上の戦いができると思っています。アフリカ勢は肉体的に勝っていますが、精神的な部分では日本人の方が強いと思います」