川合俊一らと男子バレー“御三家”だった井上謙さんは「発達障害の息子のおかげで学んだ」
井上謙さん(元男子バレーボール選手・61歳)
熱戦続きで寝不足の日々が続くパリ五輪。メダルの期待がかかった男子バレーボールの試合を楽しんでいる向きは多かっただろう。石川祐希選手や高橋藍選手の活躍で、五輪前の世界ランキングでは2位につけていた。しかし、男子バレーはこれまで長く低迷。そんななか、80年代の男子バレー人気を支えたのが、井上謙さんや現タレントの川合俊一だ。井上さん、今、どうしているのか。
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井上さんに会ったのは、東京メトロ・虎ノ門ヒルズ駅そばにある株式会社日立ハイテクサポートの会議室。
「35歳のとき、茨城県日立市の地域リーグ『日立国分トルメンタ』で現役を終え、その後はそこで監督を務めていたのですが、2002年に廃部になり、そのまま日立グループで働いています。東京へは08年に来ました」
井上さん、まずはこう言った。差し出した名刺には「障がい者雇用支援センタ」とある。
「日立ハイテクグループ全体の障害者雇用をコンサルティングしています。約3年間部長の肩書で、部下6人の部門を率いていましたので、去年2月に60歳定年を迎え、再雇用で一社員となった今は、気持ちが楽になりましたね。ただ、部長のときも部下が優秀で、自分は助けられてばかりだったのですが(笑)」