世陸マラソン代表今井正人が語る 「アフリカ勢との戦い方」
■「川内君と走る距離は変わらない」
――昨年発足したナショナルチームの初代メンバーに名を連ねています。実際に代表チームはどうでしたか?
「僕自身にとって良かったのは、他チームの力のある選手と一緒に競い合えたことです。基本的にマラソンの練習は自分ひとりでやることが多く、取り組みや基準、物差しが手探りの状態でしたから。川内(優輝)君、中本(健太郎)さん、松村(康平)君など、力のある選手と練習して、『この部分を強化しないと勝てない』という感覚も明確になりましたし。刺激になりました」
――他の選手から学んだことをひとつ挙げるとすれば?
「マラソンに対する考え方ですね。例えば、代表選考レースを走るにしても、川内君は何本もレースに出る中での1本。僕らは年間1、2本のレース中の1本です。レースに対しての感覚が違うわけです。一緒に練習して、改めてマラソンの固定観念が取り払われました」
――川内選手はレースに出過ぎ、という声もあります。
「そんなことはないと思います。川内君が走り過ぎといっても、僕らも練習の40キロ走を加えれば、同じぐらいの距離を毎年走っています。レースに出て競い合いながら走るのか、練習として走るのかの違いだけ。川内君だって、2時間20分をかけて走ったり、一方で8分台という速いペースで走ったり。レースごとにメリハリをつけている。実は僕らと走る距離やタイムは大きく変わらないんです。誤解されがちですけど」