“重傷者”だらけの大相撲で「公傷制度」が復活しない理由
診断書がある以上は協会執行部も「ウソだ」とは言えない。
その結果、01年の7月場所では場所前、場所中と合わせて幕内力士16人が休場。事ここに至り、協会が翌02年に公傷制度を撤廃した経緯があるのだ。
前出のOBは「ただ、今のままだと問題もある」と言う。
「昔に比べて平均体重が増加しているのでケガが多くなったのは事実。でも、公傷制度はない。そのため、無理をしたくないという理由で、八百長に手を染める力士が増えた。11年に力士が大量処分された八百長問題には、そういう背景もあったのです。このままでは、新たな八百長力士が生まれないとも限らない」
かといって、サポーターだらけの現状を見る限り、公傷制度を復活させたらどれだけの力士が診断書を手に協会に押し寄せるかわかったもんじゃないが、八百長復活よりはマシではないか。