オーナー現場介入、監督辞意…揺れる楽天にファン離れ懸念
「細かい選手起用や打順にまで口出しするというのは、ちょっと違うでしょう。メジャーにも似たようなオーナーがいましたが、うまくいったためしはありませんから」と、アメリカ野球愛好会副代表の鈴村裕輔氏がこう言った。
「すでに亡くなったヤンキースのスタインブレナー・オーナーは言うことを聞かない監督をクビにしたり、自分が気に入った選手ばかり獲得するなど完全なワンマンオーナーでしたが、90年代半ばから人事を含めて細かいことに口を出さなくなった。育成の重要性を痛感、しっかりとしたシステムをフロリダに作り、専門家に任せた。ヤンキースが黄金時代を築いたのはそれからです。ブレーブスのテッド・ターナーは、オーナーでありながら監督采配や選手起用が気に入らないと、1試合だけ自ら采配をふるって惨敗した。自分がカネを出しているのだから口を出す権利があると思っていたのでしょうが、彼らはフィールド上のことに関してはしょせんシロウトですからね」
楽天はオーナーの現場介入に、首脳陣も選手もドッチラケ。打撃コーチはシーズン中にケツをまくり、監督もむくれて辞める覚悟を固めた。フロントや現場にはオーナーのイエスマンしか残らないから、チームも機能しない。結果が出ているならばともかく、現在は5位と6位を行ったり来たり。オーナーの現場介入がうまくいかないのは洋の東西を問わないのだ。