骨折から復帰も居場所なし 楽天・嶋は巨人と中日に狙われる
「今オフも巨人は動くでしょう。昨年だって、かなり突っ込んだ調査をしていたんですから」
日本テレビ関係者がこう言った。
セの首位には立つものの、開幕から一向に調子が上がらない巨人。故障者の続出、貧打、不安定なリリーフ陣……とその原因を挙げればいろいろあるが、球団内で一致しているのは「正捕手問題」である。昨秋に大黒柱の阿部慎之助(36)を一塁にコンバート。原監督が「99%戻すことはない」と強い決意を持って断行したのは、体のあちこちに爆弾を抱える阿部に一年を通してマスクをかぶらせることは無理だと判断したからだ。監督の分身たる扇の要がその日の体調によってコロコロと変わるのはチームとして正常な姿ではない。だったら、2年目の小林誠司(26)を正捕手として一本立ちさせることがチームの将来のためと考えたわけだが、冒頭の関係者はこう付け加える。
「いや、原監督も球団も慎之助の後釜を小林が務め切れるか、不安があったはずです。打撃は非力で肝心のリードも成長途中。なにより、淡泊な性格で投手陣からの信頼を得ていないという声を何人ものチーム関係者から聞いていましたからね。そこで、昨季途中にFA権を取得した楽天の嶋(基宏=30)の動向を早い段階からチェックしていた。嶋は日本一になった13年オフに4年契約を結んだものの、出場試合数などの一定条件をクリアすれば、FA権行使が可能という付帯条項がついている。当然、巨人もそれを把握していた。しかし、結局、嶋は楽天に残留。原監督は小林の育成にかじを切り、そのサポート役としてベテラン39歳の相川をヤクルトから獲得したのです」