オーナー現場介入、監督辞意…揺れる楽天にファン離れ懸念
■ヴィッセル神戸はどう復活したのか
そもそもオーナーだからといって何をやっても許されるわけではない。プロ野球は公共性が強く、ファンが球場に足を運んで興行として成り立つ。スポーツライターの工藤健策氏はこう話す。
「楽天は三木谷オーナーの判断で05年から球界に参入した。大金も使ったでしょう。でも、プロ野球の球団は、文化的公共財でファンのものでもある。球場に足を運ぶファンは、素人が口を出す下手な采配を見るためにお金を出しているわけではない。といって、ネットや金融などで成功して自信を持っている経営者の性格が変わることはないでしょう。今後も現場介入は続くはずです。もしもファンがそれを許さないというなら、安保法案反対の抗議デモを行っている人たちのように、自分たちで行動を起こすしかない。そこまでしないと、このオーナーも球団も変わりませんよ」
05年、三木谷オーナーが所有する会社が運営するヴィッセル神戸が、低迷と混乱でJ2降格を余儀なくされたときのことだ。
当時のヴィッセルは現在の楽天同様、三木谷オーナーの独壇場。現場介入を繰り返し、自分のやり方に従わない監督を次々と解任した。その際に立ち上がったのが神戸のサポーターだった。当時を知るサッカー関係者が言う。