ブーム再来は? 来季国内フル参戦の石川遼にゴルフ界期待
さらに気になるのは石川の現状だ。今季終盤は国内ツアーに参戦し、日本オープンから国内ツアー自身ワーストの5試合連続予選落ち。最終戦となったカシオワールドは2位になったものの、来季はどれほどの成績を残せるのか。
並木俊明プロはこうみる。
「予選落ちが続いていた時は飛距離が欲しいのか、極端に右を向いて高いフックボールを打とうとしていた。カシオの最終日はアドレスがスクエアになり、飛距離にこだわらないおとなしいスイングをしていた。国内ツアーは米ツアーよりコースがやさしく、能力以上の飛距離もいらない。パターさえ入れば上位争いは可能です」
その一方で、そこそこ成績が良くてもファンの足を試合会場に向けるまでは無理との声もある。スポーツライターの工藤健策氏が言う。
「石川が15歳で優勝してブームになった時は、どれほどの選手になるのかという期待感にあふれていた。その後は賞金王となり米ツアーにも行ったが、この5年間でまったく結果を残せなかった。対照的に同学年の松山英樹(25)は米ツアーで日本人最多の5勝を挙げ、メジャー優勝に近づくほど成長した。松山に限らず、サッカー、野球、卓球、スケートなど、多くの競技で10代から20代の若者が世界で戦っている。焦るように米ツアーに飛び出し、通用せずに戻ってきた選手にファンが魅力を感じるかは疑問です」
なるほど、その通りだろう。