宿敵ドイツ敗退も…ネイマール完全復調に世界のファン安堵
味方からパスが送られると軸足の左足の裏側へ(交差するように)右足を出し、インサイドで絶妙トラップを見せつけてスタンドからヤンヤの喝采を浴びれば、プレーが止まるたびにブラジル応援団席に向かって両手をグイッと上げて歓声を要求したりと、その一挙手一投足がスタンドの興奮を呼び起こし、それがセルビア選手へのプレッシャーとなっていった。
セルビアの攻撃が一段落した後半23分だ。
ブラジル左CKをネイマールがキック。狙いすましたボールがニアサイドに飛び、これをパリサンジェルマンのチームメートであるDFチアゴシウバ(33)が強烈ヘディング一発。息の合ったコンビプレーで点差を2に広げ、セルビア選手は意気消沈。1点を返す元気もなくなった。
■「チームの総合力がアップ」
ロシアで取材中の元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏が言う。
「主力が欧州主要リーグでプレーしているセルビアは、決して侮れない相手なので<まずは失点しないこと>を前提にブラジルは慎重に試合を進めていった。ネイマールは試合を重ねるごとに調子を上げ、それが周囲の選手にも好影響を与え、結果としてチームの総合力をアップさせることにつながっている。この日は前回チャンピオンのドイツが1次リーグで姿を消したが、大会を盛り下げないためにもネイマールの復調は、ファンにとっても非常に喜ばしいことだと思います」