「死の組」を1位で通過 スウェーデン“格安監督”の評判
スウェーデンが、2連勝で波に乗るメキシコを攻守で圧倒して快勝。「死の組」と呼ばれるF組1位通過を決めた。
代表全23選手が海外リーグに所属しているが、ビッグクラブでプレーしているのはDFリンデロフ(23=マンチェスターU)ひとりだけ。英紙デーリー・メールが報じた選手平均年俸は約1・9億円で32カ国中20位。同1位のブラジル(約8・5億円)の4分の1にも満たない。
そんな雑草集団を率いるアンデション監督(55)も年俸は5600万円と安く、日本の西野監督(1・2億円)の半分程度だ。
国内リーグで実績を作り、2016年に代表監督に就任。スウェーデン伝統の堅守速攻スタイルを再構築し、予選でオランダ、プレーオフでイタリアを撃破して3大会ぶりのW杯出場を決めた。
大会前には大きな決断を下した。16年に代表を引退したスーパースター、イブラヒモビッチ(36)が代表復帰を示唆。これを支持する声がスウェーデン協会内にもあったものの、指揮官はしかし、大スターにおもねることなく、「復帰したいなら自分から連絡せよ」と毅然とした態度で結果的に招集を見送った。突出した選手の存在は、チームの和を乱す火種になるリスクをはらむ。そもそも組織力、団結力を重視する指揮官の構想からは外れていたともいわれる。