仏代表ファンの「ガリアの雄鶏」と「ラ・マルセイエーズ」
古代ローマ時代、現在のフランス周辺地域はガリアと呼ばれていた。「ガリア戦記」でも有名だが、この地域のガリア人は、ラテン語でガッルス(Gallus)と呼ばれていた。雄鶏もラテン語でガッルス(gallus)。そのため、昔からガリア人と雄鶏を同一視する風潮があったという。
第1次世界大戦では「ドイツの鷲」に対して「フランスの鶏」が、フランスの共和制や愛国心を示すものとして称揚された。なので、鶏といえば良くも悪くも愛国的なイメージがあるのだ。
愛すべき雄鶏野郎たちは、この格好で世界一威勢のいい国歌「ラ・マルセイエーズ」を熱唱して代表チームを鼓舞する。
■鳥肌もの
初戦のアルゼンチン戦では、雄鶏が「市民よ 武器を取れ! 隊列を整えよ!」と声を張り上げれば、対するアルゼンチン代表ファンも「栄光を頂いて生きん さもなくば名誉ある死を誓わん!」とリフレインする。
これぞワールドカップである。ラ・マルセイエーズは試合中にも自然発生的に声が上がり、やがて、スタジアム全体に波及する。鳥肌ものだ。
(つづく)