元代表主将・林敏之氏観戦記 歴史的勝利の最大の要因は…

公開日: 更新日:

 アイルランド戦は試合会場の静岡エコパではなく、東京・武蔵野市で見届けた。武蔵野陸上競技場で開催されたパブリックビューイングのイベントに参加させていただき、ラグビー史に残る劇的勝利に酔いしれた。

 勝利の最大の要因として、現ジャパンの「パス関連のスピードが速くなった」ことを挙げたい。

 9―12で迎えた後半18分、大会前の南アとのテストマッチで負傷したWTB福岡が今大会初出場を果たし、トライを奪って逆転に成功した。相手自陣の深いところから左に展開していってトライにつなげたわけだが、CTB中村がWTB松島を飛ばしてCTBラファエレ・ティモシーにボールを送り、ラファエレはパスを受けた瞬間、左の福岡にスパッとパスを出した。その直後、相手選手のタックルを受けて倒された。もしパス出しのタイミングがコンマ1秒遅かったら、パス自体のスピードがコンマ1秒遅かったら、福岡のトライは難しかった。

 もともとジャパンの懸案事項として<パススピードが遅い>ということがいわれていた。それがアイルランド戦ではスピードとともにタイミングの速さも高いレベルを保ち、ジャパンの継続的な攻撃につながった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希はロッテの「足枷」だった…いなくなってFA石川柊太の入団がもたらす“これだけのメリット”

  2. 2

    絶対守護神マルティネス「巨人入り」急浮上の舞台裏…米敏腕記者が「2年24億円で合意間近」と

  3. 3

    フジテレビが2番組を終了させダウンタウン松本人志に「NO」を突き付けたワケ…日テレとは異なる対応

  4. 4

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  5. 5

    米倉涼子「ドクターX」興収30億円でも満島ひかりが阻む"興収女王"の座…期待値の高さから落胆の声も

  1. 6

    立花孝志氏が大阪・泉大津市長選で惨敗…有権者の投票行動を後押しした「お笑いみたいな噂」

  2. 7

    佐々木朗希の「独りよがりの石頭」を球団OB指摘…ダルやイチローが争奪戦参戦でも説得は苦戦必至

  3. 8

    安倍昭恵氏が石破外交“切り札”に? 米トランプ次期大統領との会談模索に「私人」を担ぎ出す情けなさ

  4. 9

    安倍昭恵さん×トランプ夫妻「夕食会」の舞台裏…永田町で飛び交う臆測と“パイプ役”の名前

  5. 10

    M-1グランプリ審査員は“完璧な布陣”…ますます高まる「松本人志不要論」